2012年06月25日

予定調和からの復活と日常の光景

どもっ、あなべるです。

大阪研修4日目終了です。

1日目、2日目の飲みすぎと睡眠不足で、3日目の夜に僕の『宿泊出張に出ると必ず体調を崩す』いう習性が発動。
もはや、予定調和の世界。
まぁ、2日目からすでにその領域に踏み込んでいたのは、わかっていたのに、やってしまいました。

しかし、4日目の開始までには、なんとか体調を戻しました。
もちろん、昼飯は抜いて、昼休みは音楽を聴きながら、完全に外の世界をシャットアウト。事務所でよく見かける光景を再現してました。

やはり、僕に宿泊出張は依頼してはダメですね。


さてさて、今日の研修で一番面白かったのは、3色ポストイットを使ったワークショップの方法。
今日教わった方法では、一定の回答を出すことができる。
たぶん、やっている方はあまり感じないかもしてないけど、ファシリテーターからすると、ほとんど誘導尋問に近いかな、と思った。
つまり、テーマを設定するときに、ある程度出される意見を予想してから始める。



僕の演習を例にとってみるとこんな感じ。

熱海を温泉地として売り込むためにどうしたらいいか、というワークショップをやるとする。
普通であれば、ポストイットに熱海のいいところを書いてね。という感じで始める。
もちろん、模造紙の上には熱海のいいところが並ぶ、そこで、出される回答は、おそらく『熱海にはこんなにたくさんのいいところがあるから、それを並べればいい。』という、僕から言わせればどうでもいい回答がでる。これは、参加者に熱海の良さを再確認してもらうことが重要で、次のワークショップの足掛かりにするための準備になるけど、出た回答をそのまま実行するためには、かなり無理がある。

そこで、今日のやり方でやる。
テーマの中で、対を作ってやる方法。善悪でもいいし、ライバルでもいい。比較対象を設定してあげる。
じつは、ここに誘導尋問の仕掛けがある。
まずは、集めるメンバー。同じ方向を見ている、もしくは、問題意識の全くない人を同じテーブルに並べる方がいい。
対比を行うので、意見の極端に違う人を同席させると、喧嘩になるのは必至。
まぁ、この辺からファシリテーターの腕の見せ所なんだろうけど。

テーマ設定も、こちらが期待する回答が出やすいテーマにすることが重要。
まず、対比なので、明確にYes or Noに近い回答が出るテーマを設定する。
すでに、参加者はファシリテーターの罠にかかっているわけですな。
なぜなら、集めた人も、テーマも、結果も、ファシリテーターの自由にできるわけですから。

ではでは、僕のやった演習の実例です。
写真がないので、わかりにくいと思いますが、どうしても知りたい人は、連絡を。
あと、実験的にまったくの基本型ではなく、少し応用が入っているので、その辺はご了承を。

テーマですが、熱海が箱根に勝つためには?という設定をしました。
テーブルについた人たちは、ほとんど、熱海にも、箱根にも行ったことがない人だけど、なんとなく、両方とも知っているというメンバー構成。
さて、ファシリテーターの僕は、このテーマで何を求めているのかと言えば、実は、熱海が箱根に勝てていない理由が知りたいわけです。今回のワークショップで、本気で熱海が箱根に勝てる方法が見つかるなら、まぁ、すでに勝つように作っているだろうから。
つまり、僕の知りたい回答と参加者がやっていることは、全然逆なんですね。

そして、ポストイットには、『熱海のいいところ』と『箱根のいいところ』を書いてもらうわけです。
つまり、長所の対比をしたいわけです。
この設定を『熱海の観光地としての、良いところ』と『熱海の観光地としてのまだ足りないところ』
と設定してもいいのですが、これでは、あまり面白くないのと、熱海自慢か熱海ダメ論になるので、箱根に勝つというモチベーションが上がらないのです。
なので、長所を上げてもらい、どうして勝てないかを理解してもらうのが目的です。

まぁ、結果を言ってしまえば、予想通り、イメージでも、長所の数でも、箱根が勝っていました。
ただ、面白かったのは、箱根には全く食に関してのイメージがないのです。

なので、最終的な意見としては、『熱海はもっと食、特に海の幸を押し出すべき』となりました。



あれっ?


って、思いません?だって、答えが普通でしょ。でも、これでいいんです。ファシリテーターとしては、裏の設定がどうして熱海が箱根に勝てないのか?という問題だったから。
つまり、このケースの場合、参加者は、箱根に関してよりいいイメージ、より多い情報を持っているということなので、勝てないという結果が出ています。
そこに、表回答の海の幸を足してあげれば、完璧になるでしょう。
つまり、熱海では、新鮮でおいしい海の幸が、寿司、刺身、丼だけでなく、フレンチ、イタリアン、無国籍創作料理など、いろいろと食べられるという情報をより多く、センスよく発信できれば、観光地として箱根に勝てるわけです。


まんまと罠にはまっていただきまして、ありがとうございました。


と、まぁ、この方法では、事前の設定さえしっかりしておけば、その場での対応は、ほかのポストイットワークショップでやるより楽になります。

思っていた以上に長い文章を書いてるな。

そんなこんなで、タウンマネージャーは、表の顔はにこやかでも、裏ではいろいろな罠を張っている曲者ということが少しでもご理解いただければ、いいかと思います。
そうしないと、まちを変えようなんて無理ですから・・・・。


では、そんな感じで。


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Posted by タウンマネージャー at 23:21│Comments(0)あなべる日記
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